「応召義務」違反とされるリスクを減らしつつカスハラからクリニックを守る方法
日々の診療、本当にお疲れ様です。 歯科医院を経営していると、どうしても避けて通れないのがカスハラへの対応です。
① 院内で大きな声を出す、暴れる
② 執拗に治療内容に文句をつける
③ 無断キャンセルを繰り返す
④ 受付スタッフに怒鳴り散らす
これらはいわゆるカスハラ(カスタマーハラスメント)に該当するようなケースです。これらはスタッフの離職原因にもなりますし、他の患者さんへの迷惑、そして先生ご自身の精神的な負担も計り知れません。
「医師には『応召義務(診療拒否をしてはいけない義務)』があるから、我慢するしかない……」と諦めていませんか? 実は、正しく手順を踏めば、法的にリスクを負うことなく「お引き取りいただく」ことは可能です。
今回は、応召義務違反と言われないための「5つのステップ」をお伝えします。
応召義務違反を回避する「5つのステップ」
トラブルを拡大させず、スムーズに転院を促すには以下の順序で対話をすることが重要です。
1 問題行動の特定 「何が問題なのか(大声、キャンセル等)」を具体的にピックアップし、事実として指摘します。
2 業務への支障を伝える 「その行為により、スタッフが恐怖を感じており、他の患者さんの診療にも支障が出ている」という実態を伝えます。
3 信頼関係の確認と約束 「安全な治療には最低限の信頼関係が必要です。今の行為をやめると約束していただけない限り、適切な診療の継続は困難です」とはっきり伝えます。
4 転院の提案(お互いのために) 「当院の方針にご納得いただけない以上、これ以上ここで治療を続けることはお互いにとって良くありません。他院での受診を検討されてはいかがでしょうか」と促します。
5 情報提供の保証 「転院される際は、カルテ開示や紹介状(情報提供)などの必要な手続きは責任を持って行います」と添えます。
多くの患者さんは、ここまで冷静かつ段階的に話をすれば、自ら転院を選択されます。
なかには、話をすることでさらに感情を爆発させる方もいるかもしれません。 しかし、ご安心ください。その「激昂すること自体」が、もはや歯科医師と患者との間の信頼関係が破綻している何よりの証拠となります。
そこまで関係が壊れてしまえば、法的には「診療を行う基盤がない」と判断され、応召義務は免除されます。つまり、毅然と診療をお断りしても法律違反にはなりません。
弁護士によるサポート
「自分たちで対応するのは怖い」「書面でしっかり通告したい」という場合は、弁護士名での内容証明郵便の送付が非常に効果的です。
私の事務所では、クリニックの平穏を守るためのサポートを行っております。
顧問契約先の場合:3万円〜5万円(税別)程度
「もう限界だ」と感じる前に、ぜひ一度ご相談ください。先生が診療に専念できるよう、法的な盾となって支えます。
